「古物商の許可が必要になった」、「古物商許可を取得したい」という方の中には、申請のための費用がどのくらいかかるのか、あるいは、専門家に依頼すると依頼料はどのくらいかかるのかといった不安や疑問をお持ちの方も多くいるのではないでしょうか?
今回は、古物商許可を申請する際にかかる費用について、ケース別に説明してみたいと思います。
申請に必要な公的書類ってなに?取得費用は?
古物商許可申請には、各管轄警察署で入手できる申請書のほかに、添付書類として、「住民票」、「身分証明書」、「登記されていないことの証明書」や法人の場合「法人登記簿」といった公的書類を提出する必要があります。これらを郵送で請求した場合の書類取得費用をみてみましょう。
法人の役員全員(個人の場合は本人)と営業所の管理者が必要な証明書類の費用
・住民票 300円 程度
・身分証明書 300円 程度
・登記されていないことの証明書 300円
・定額小為替発行手数料 300円(3枚分)
・切手代(82円切手6枚分) 492円
令和元年12月14日以降の申請から、
「成年被後見人等の権利の制度に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律(整備法)」の施行により、
古物商許可申請においては、
「登記されていないことの証明書」の提出は不要となります。
変更点にご注意ください。
1人分の証明書取得費用はおおむね1,400円程度となります。(自治体により取得費用が異なります。)役員が数名いる場合には、役員、管理者全員分の書類を収取しなければなりません。
法人申請の場合には、この他に法人登記簿の取得も必要となり、600円程度かかることとなります。
※法人役員(個人の場合は本人)が管理者を兼ねる場合、管理者の分は省略できます。
警察署で支払う申請手数料
古物商許可申請には、営業所を設置する都道府県ごとに「申請手数料:19,000円」がかかります。警察署で申請書が受理された際に支払うこととなります。
※2020年4月以降は主たる営業所への支払いだけとなります。詳しくは後で記載します。
ケース別にみる申請費用
では、ケース別に実際にかかる費用をみてみましょう。
今回は、次の3つのケースを例に挙げてみました。
・ケース➀ 役員1人で管理者を兼ねる場合
・ケース② 役員3人+管理者(役員以外)で1つの県に営業所を2店舗申請する場合
・ケース③ 役員3人+管理者(役員以外)で2つの県に営業所を1店舗ずつ申請する場合
ケース➀ 役員1人で管理者を兼ねる場合
※個人で管理者を兼ねる場合も同じ
証明書 | 履歴事項全部証明書 | 申請手数料 | 合計 | |
役 員 1人 管理者を兼ねる | 1,400円 | 600円 | 19,000円 | 21,000円 |
※各管轄警察署までの交通費は考慮していません。
※個人申請の場合は「履歴事項全部証明書」が不要です。
ケース② 役員3人+管理者(役員以外)で同一県内に営業所を2店舗申請する場合
証明書 | 履歴事項全部証明書 | 申請手数料 | 合計 | |
役 員3人 管理者2人 | 7,000円 (1,400×5) | 600円 | 19,000円 | 46,200円 |
※各管轄警察署までの交通費は考慮していません。
※店舗ごとに管理者を選任しなくてはならないため、管理者については2人分となります。
ケース③ 役員3人+管理者(役員以外)で2つの県に営業所を1店舗ずつ申請する場合
証明書 | 履歴事項全部証明書 | 申請手数料 | 合計 | |
役 員3人(3人×2) 管理者2人 | 11,200円 (1,400×8) | 1,200円 (600×2) | 38,000円 (19,000×2) | 50,400円 |
※各管轄警察署までの交通費は考慮していません。
※2つの県の申請はそれぞれの県で費用がかかる
概ね、このくらいの費用がかかります。
警察署によっては、この他にも、不動産登記簿などの書類の提出を求められることもありますので、事前に管轄警察署へ問い合わせください。
2020年4月以降古物営業法の改正にともない、都道府県ごとの許可が廃止されます。
古物営業法の改正後は、複数の県に営業所を設置する場合でも、主たる営業所を管轄する警察署に一度だけ許可を申請すればよくなります。そのため、ケース③の費用は、2020年4月以降はケース④のように変わります。
ケース④ 役員3人+管理者(役員以外)で2つの県に営業所を1店舗ずつ申請する場合
証明書 | 履歴事項全部証明書 | 申請手数料 | 合計 | |
役 員3人 管理者2人 | 7,000円 (1,400×5) | 600円 (600×1) | 19,000円 (19,000×1) | 26,600円 |
※各管轄警察署までの交通費は考慮していません。
行政書士に依頼する場合の費用
行政書士事務所に申請代行を依頼した場合、どの程度の依頼料がかかるのでしょう?
インターネット上では、たくさんの行政書士事務所のホームページがみつかります。代行手数料も事務所ごとに違いがありますが、相場は40,000~50,000円くらいとなります。
行政書士に手続きを依頼する費用面でのメリット
古物商許可申請は、自分でもできる許認可ですが。行政書士に依頼した方が費用を抑えられる場合があります。
例えば、
実際に自分で古物商許可申請をした場合、5日間かかったとします。この場合のコスト(人件費)を考えると、15,000円(日給)×5日=75,000円
行政書士の相場が40,000円~50,000円ですので、依頼する場合にはコストを減らすことができるケースがあるかもしれません。
費用以外の3つのメリット
専門特化した行政書士は、正確性が高く、時間のロスも少ないため、早く申請できるといったメリットや、平日の昼間に時間を取れない人にとって証明書の取得から警察署への提出まで丸投げできるメリットがあります。担当者が申請作業に追われることなく、安心して本業に専念できるといったメリットもあります。
古物商許可申請手続きが負担に感じるようでしたら、専門特化した行政書士に依頼することをおすすめします。
まとめ
古物商許可申請のためにかかる費用は、
・1人分の証明書取得費用は1,400円程度
・警察署への申請手数料19,000円
行政書士に申請代行をした場合、
・代行手数料40,000円~50,000円
トータルで70,000円くらいの費用がかかります。
申請書作成や必要書類収集の負担を感じたり、急ぎで確実に古物商許可を取得したいと思ったら、専門特化した行政書士への依頼も検討してみてはいかがでしょうか。