平成30年4月25日に古物営業法の一部が改正されました。
現在、古物商許可を受けて古物営業を行っている人は、令和2年4月までに行わなければならない手続き(届出)があることを知っていますか?
今回は、令和2年4月までに行うべき「主たる営業所等届出」の手続きについてみてみたいと思います。
まだ、手続きをされていない人は、ぜひ参考にして頂き、管轄の警察署へ急ぎましょう!
目次
古物営業法の一部改正って?
平成30年4月25日に、古物営業法の改正法が公布(発表)され、平成30年10月24日より、すでに一部が施行(実行)されています。
令和2年4月1日から、改正古物営業法が全面的に施行されます。
平成30年4月25日の古物営業法の改正点については、次のとおりです。
➀営業制限の見直し
➁簡易取消しの新設
③欠格事由の追加
④非対面取引における本人確認方法の追加
⑤帳簿の様式について
⑥主たる営業所等の届出 ※令和2年3月31日までに提出が必要
⑦許可単位の見直し
このうち、「⑦許可単位の見直し」以外については、平成30年10月24日より、すでに施行されています。
そして、「⑦許可単位の見直し」については、令和2年4月1日から施行されます。
そのため、すでに古物商許可を取得している人に対して、都道府県公安委員会より「主たる営業所等届出書」の提出が求められています。
複数店舗で営業を行っている人も、1店舗で営業を行っている人も、
主となる営業所を届け出なければなりません。
改正古物営業法の施行日が決定
改正古物営業法の施行日が、令和2年4月1日に決定しました。
主な改正点は、「許可単位の見直し」です。
それに伴い、すでに古物商許可を取得している人は、「主たる営業所等届出」の手続きを事前に済ませる必要があります。
期限内に届出を提出しなかった場合、令和2年4月1日以降は無許可営業とみなされてしまいます。
主たる営業所等届出書ってなに?
現在、古物商許可を取得し古物商を営んでいる人は、令和2年4月1日の改正法施行日までに、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に、「主たる営業所等の名称および所在地の届出」が必要となります。
営業所が1カ所であっても、複数であっても、「主たる営業所等届出書」(様式:別記様式(附則第2項関係 その1)の提出が必要です。
期間内に届出書を提出することにより、改正法の施行と同時に、改正後の古物営業法の規定による許可(新法許可)を受けているものとみなされます。
この「主たる営業所等届出書」を期間内に提出せず、改正法の施行後に古物営業を行うと、『無許可営業』となり、許可取り消しとなってしまうので注意しましょう。
「主たる営業所等届出書」の提出期限は、令和2年3月31日までです。
「主たる営業所等届出書」をまだ提出していない人は、なるべく早くに管轄警察署に向かいましょう。
※施行日直前は混雑が予想されています。
手続きには、「個人の場合は個人印」、「法人の場合は法人代表者印」が必要となります。
さらに、代理人が行かれる場合には、委任状も必要となるので、忘れず準備しましょう。
主たる営業所とは
複数の営業所で古物営業を行っている場合、いずれか1つの営業所を「主たる営業所」として、所在地を管轄する警察署に届け出なければなりません。
営業所が複数の都道府県にある場合でも、 都道府県の枠は関係なく、 全営業所のうち、いずれか1つの営業所を「主たる営業所」として、所在地を管轄する警察署に届け出ます。
営業所が1カ所の場合でも、「主たる営業所」として届け出る必要がありますので、注意しましょう。
【例】
東京都:2店舗(A店、B店)、神奈川県:2店舗(C店、D店)の営業所を設け古物営業を行い、A店を「主たる営業所」とする場合についてみてみます。
A店の所在地を管轄する警察署に「主たる営業所等届出書」を提出することとなります。
B店、C店、D店の3店舗については、「その他の営業所又は古物市場」(様式:別記様式(附則第2項関係) その2)へ記載し、併せて提出しましょう。
許可単位の見直し
これまでの古物営業法(旧法)では、営業所等が所在する都道府県ごとに古物営業の許可を受ける必要がありました。
令和2年4月1日に施行となる改正古物営業法(新法)では、「主たる営業所」の所在地を管轄する公安委員会の許可を受ければ、その他の都道府県に営業所等を設ける場合でも、届出で足りることとなります。
平成30年10月24日より施行されている改正法について
平成30年4月25日に公布された改正法では、以下の事項が改正となりました。
➀営業制限の見直し
②簡易取消しの新設
③欠格事由の追加
④非対面取引における本人確認方法の追加
⑤帳簿の様式について
⑥主たる営業所等の届出
⑦許可単位の見直し
「⑦許可単位の見直し」以外については、平成30年10月24日よりすでに施行されています。
「⑦許可単位の見直し」については、令和2年4月1日に施行され、全面的な法改正が行われることとなります。
すでに施行されている改正点について、その概要に触れておきます。
さらに詳しく知りたい場合は、管轄の警察署または専門の行政書士にお問合せ下さい。
営業制限の見直し
旧法では、古物の買取りの際に、相手方の確認等の義務を適切に履行するため、古物商が、古物商以外の者から古物を受け取る場合には、古物営業所または取引の相手方の住所もしくは居所に限られていました。
古物営業法の改正に伴い、仮設店舗においても、古物を受け取ることができるようになりました。
(平成30年10月24日より施行:改正古物営業法第14条1項ただし書)
ただし、仮設店舗で古物営業を行う場合には、あらかじめ、日時・場所を管轄する公安委員会に届け出なければなりません。
届出の期間については、仮設店舗において古物営業を行う3日前までに、仮設店舗の所在地を管轄する警察署の生活安全課に「仮設店舗営業届出書」(様式:別記様式第14号の2)を提出します。
では、仮設店舗とはどのような店舗なのでしょうか?
旧法では、営業所以外の仮に設けられる店舗を表す用語として「露店」とされていましたが、法改正に伴って、「仮設店舗」と改称されることとなりました。
具体的には、デパートの催事場、フリーマーケットなど、容易に移動できる店舗をいいます。
簡易取消し
所在不明の古物商の許可について、許可証が悪用されるおそれがあることから、許可を受けた古物商等の所在を確知できない場合、公安委員会が一定期間官報により広告を行い、30日を過ぎても申出がない場合には、許可を取り消すことができるようになりました。
(平成30年10月24日より施行:改正古物営業法第6条第2項)
営業所を移転したなどの理由で、届け出ている住所等が変更になったにもかかわらず、「変更届出」の手続きを行っていない場合には、気を付けましょう。
欠格事由の追加
旧法では、古物商等の欠格事由に暴力団排除条項が設けられていませんでした。
古物営業法の改正に伴い、暴力団員等を排除するため、許可の欠格事由に、暴力的不法行為等を行う者も追加することとなりました。
(平成30年10月24日より施行:改正古物営業法第4条3号および第4号)
新法が施行された平成30年10月24日以前より、すでに古物商許可を取得している人も対象になります。
非対面取引の本人確認方法
インターネット等を利用して、相手方と対面しないで古物の買受等を行う場合は、非対面取引において相手方の真偽を確認するための措置を行わなければなりません。
近年、インターネット等を利用した非対面取引が急速に普及しているため、古物営業法の改正に伴って、非対面取引における本人確認方法が追加されました。
(平成30年10月24日より施行:改正古物営業法第15条)
帳簿の記載例
現行の帳簿の様式において、古物の特徴蘭の記載に、現行の古物営業の実態から最も帳簿記載を行うことが多いと考えられる自動車について、その特徴の記載例を規定するなどの改正が行われました。
(平成30年10月24日より施行)
帳簿の特徴蘭への記載事項は以下のとおり
・検査証記載のナンバー
・車名
・車体番号
・所有者の氏名等
まとめ
・平成30年4月25日に、古物営業法が一部改正となった。
・平成30年10月24日より、改正法が一部施行されている。
・すでに古物商許可を取得している場合は、
「主たる営業所等届出書」を提出しなければならない。
・令和2年4月1日より、改正古物営業法が全面施行
・改正法が施行される時点で、「主たる営業所等届出書」を提出していないと、
古物商許可が取消しとなってしまう。