古物商許可が受けられない(欠格要件)

古物商許可を受けられるの?

これから古物商許可の取得を考えている人は、「自分が古物商許可を受けられるのかどうか」、「どうやって確認をすればいいのか」と困っている人もいるのではないでしょうか?

古物商許可が受けられるのかどうか(欠格要件)を確認しようとしても、難しく書かれていてわかりにくく感じている人もいると思います。

古物商許可は、どんなに完璧な申請書を準備できても、

誰でもは受けられるわけではありません!

今回は、古物商許可を「受けられる」場合、「受けられない」場合についてみてみたいと思います。

目次

古物商許可を受けられない人とは

古物商許可を受けられない人とはどのような人なのでしょうか?

古物商許可を受けられない人とは、古物営業法第4条(平成30年4月25日の古物営業法の一部改正により、欠格要件が追加されました)の規定に1つでも該当してしまうと、古物商許可を受けることができません。

では、古物営業法第4条とはどのような内容なのでしょうか?順番にみていきたいと思います。

古物営業法第4条(欠格要件)って?

「第4条 公安委員会は、前条の規定による許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。」

これが、古物営業法第4条の書き出しです。

「次の各号のいずれかに該当する」とありますので、古物営業法第4条に書かれている項目について、1つでも当てはまる場合には「許可をしてはならない。」とされています。

では、各項目を見てみましょう。

【1.成年被後見人、被保佐人(従来、禁治産者、準禁治産者と呼ばれていたもの)又は破産者で復権を得ない者】

「成年被後見人、被保佐人」とは、判断能力を欠いているか、もしくは、判断能力が不十分な人で、後見人や保佐人が就いている人のことをいいます。
また、「禁治産者」とは、1999年12月の民法改正以前の呼称で、旧法では「心神喪失の常況にある者」のことです。現在では成年被後見人と改称されています。

※古物商許可申請の際には、「身分証明書」という禁治産者には該当しない旨を証明する書類を提出しなければなりません。

「破産者で復権を得ないもの」とは、自己破産手続き期間中で、一部の職業には就くことができなくなる状態(資格制限)の者を「破産者」といいます。その後、自己破産手続きが完了し、免責許可決定がされ資格制限も解除された状態を「復権」といいます。「復権」した場合には、すぐに古物商許可を受けることができるようになります。

【2.禁錮以上の刑に処せられ、又は第31条に規定する罪若しくは刑法第235条、第247条、第254条若しくは第256条第2項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者】

刑罰の罪種には、科料<拘留<罰金刑<禁固刑<懲役刑<死刑などがありますが、 「禁固以上の刑」とは、禁固刑、懲役刑、死刑のこととなります。
したがって、拘留や罰金刑の場合には、古物商許可を受けることができます。

「第三十一条に規定する罪」とは、古物営業を無許可で行ったり、偽りや不正の手段によって古物商許可を得た場合や、古物商の名義貸しを行ったため、罰金刑に処せられた場合です。

また、「刑法に規定する罪」とは、窃盗罪、背任罪、遺失物横領の罪、盗品等運搬、盗品等保管、盗品等有償譲受けなどの罪を犯して罰金の刑に処せられた場合です。

これらの刑に処せられた場合は、刑の執行が終わってからも5年間は古物商許可を受けることはできません。ただし、執行猶予を言い渡され、刑の執行が猶予された場合は、執行猶予期間が終了することにより、古物商許可を受けることができるようになります。

【3.集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者】

【4.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第12条若しくは第12条の6の規定による命令又は同法第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過しないもの】

暴力団員やその関係者など、反社会的行為を行う、または、行う可能性がある人は古物商許可を受けることができません(平成30年4月25日 古物営業法の改正により追加)。
法人で申請の場合、役員の中にこのような人がいる場合には、古物商許可を受けることができませんので、ご注意下さい。

【5.住居の定まらない者】

基本的には、「住民票に記載されている住所に住んでいること」を確認されます。

事情により住民票に記載の住所と異なる住所に住んでいる人は、事前に専門の行政書士に相談されると解決策がみつかることもあります。

【6.第24条の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前60日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から起算して5年を経過しないものを含む。)】

過去に古物商許可を取得し、古物営業を営んでいたが、古物営業法に違反したことなどを理由に許可が取り消された場合には、取り消された日から5年間は古物商許可を受けることができません。

【7.第24条の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該取消しをする日又は当該取消しをしないことを決定する日までの間に第8条第1項第1号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で、当該返納の日から起算して5年を経過しないもの】

過去に古物商許可を取得し、古物営業を営んでいたが、古物営業法に違反したなどの理由で、古物商許可の取消しを受ける可能性があり、許可の取消しを回避しようと、取消前に自ら許可証を返納した場合です。この場合、許可証を返納した日から5年間は古物商許可を受けることができません。

【8.営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が古物商又は古物市場主の相続人であって、その法定代理人が前各号及び第10号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。】

原則、未成年者は古物商許可を受けることができません。

ですが、婚姻(結婚)することにより成年者として扱われるようになる(成年擬制)ため、1度結婚をした人は古物商許可を受けることができます。
さらに、法人役員の中に未成年者がいる場合も、古物商許可を受けるのは「法人」であるため、古物商許可を受けることができます。

【9.営業所又は古物市場ごとに第13条第1項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者】

古物営業は、営業所ごとに「管理者」を選任しなければならず、選任した管理者が欠格要件に該当している場合には、古物商許可を受けることができません。

管理者には、未成年者はなることができませんし、適正に古物営業を営むための技術や知識を求められます。また、営業所ごとに選任し、常駐に近い勤務形態を求められるため、管理者の住所が営業所までの通勤圏内であることが求められます。

古物営業を適正に営むにあたり、選任した管理者が適任であるかどうかの判断については、警察の裁量による場合もありますので、ご注意ください。

【10.法人で、その役員のうちに1から7までのいずれかに該当する者があるもの】

法人で取得の場合、役員の中に1から7の項目に該当する人がいる場合は、古物商許可を受けることができません。

欠格要件に該当しない人とは

欠格要件に該当してしまうと、古物商許可を受けることはできません。
では、欠格要件に該当しない場合とは、どんなときでしょうか

・交通事故、スピード違反などの「道路交通法違反」により、「運転免許証の取消し」や「罰金刑」を受けた場合

・実刑に処せられたが執行猶予が言い渡され、執行猶予期間が満了した場合
・取締役の中に未成年者がいる場合
・前職で勤務していた会社の役員が、逮捕された場合

など、古物商許可を受けることができるかの判断に悩むケースはたくさんあるかと思います。
また、古物商許可を受けられない状況を回避した事例として、
法人で古物商許可を取得したいが、「古物商許可を受けられない人」が役員にいるため、古物商許可を申請できない。しかし、どうしても古物商許可が必要。
このような場合は、「古物商許可を受けられない役員」を辞任させる方法をとることにより、古物商許可を受けることができるようになります。

古物商許可を「受けることができる」のか、「受けることができない」のか、「受ける」ための手段など、判断に迷ったら、専門の行政書士に相談してみることをおすすめします。

まとめ

・古物商許可は誰でも受けられるわけではない
・古物商許可を申請するときは、必ず事前に欠格要件を確認しましょう
・古物商許可を申請する際の判断に迷ったら、専門の行政書士に相談しましょう