古物商許可申請における「誓約書」の書き方

古物商許可申請において、申請者(法人役員全員)と管理者は「誓約書」の提出が必要です。

今回は、誓約書作成の際の注意点と誓約内容にふれてみたいと思います。

目次

誓約書って何?

古物商許可申請で提出する「誓約書」は、申請者が欠格事由に該当していないことを誓約する書類です。

欠格事由に該当している時点で、古物商許可申請はできません。
申請時に、書面で欠格事由に該当していないことを誓うため提出します。

何を誓約するの?(誓約内容)

「誓約書」は、誓約内容を理解したうえで、記名押印または自署します。

誓約内容については、「古物営業法第4条 第1号から第8号」に定義されています。

成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

「成年被後見人若しくは被保佐人」とは、精神上の障害のため、判断能力に欠ける、あるいは、判断能力が不十分な人をいいます。

「破産者で復権を得ないもの」とは、破産者で、「免責許可の決定」、「破産手続廃止の決定」による「復権」を得ていない状況の人をいいます。

該当してしまうと、古物商許可申請ができません。

禁固刑以上の刑に処せられ、又は第31条に規定する罪若しくは刑法第235条(窃盗罪)、第247条(背任罪)、第254条(遺失物横領の罪)若しくは第256条第2項(盗品等運搬、盗品等保管、盗品等有償譲受け、又は有償の処分あっせん)に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者

「禁固以上の刑」とは、禁固刑、懲役刑、死刑のことです。
したがって、拘留や罰金刑の場合には、古物商許可を受けることができます。

「第31条に規定する罪」とは、古物営業を無許可で行ったり、偽りや不正の手段によって古物商許可を得た場合や、古物商の名義貸しを行ったため、罰金刑に処せられた場合です。

また、「刑法に規定する罪」とは、窃盗罪、背任罪、遺失物横領の罪、盗品等運搬、盗品等保管、盗品等有償譲受けなどの罪を犯して罰金の刑に処せられた場合です。

これらの刑に処せられた場合は、刑の執行が終わってからも5年間は古物商許可を受けることはできません。

集団的に、又は常習的に暴力的不良行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる正当な理由があるもの

反社会的行為を行う、または、行う可能性があると判断されるような状況の人です。
古物営業法に定められた規定をしっかり守り、適切な古物営業を行うことが困難であると判断され、古物商許可を取得することはできません。

古物営業法の改正(平成30年10月24日施行)に伴い、新たに追加された規定です。

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第12条若しくは第12条の6の規定による命令又は同法第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であって、当該命令又は支持を受けた日から起算して3年を経過しないもの

「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第12条若しくは第12条の6の規定」とは、暴力団員の行う暴力的要求行為などについて必要な規制を行い、暴力団員の活動による被害を未然に防ごうとするものです。
よって、暴力団員、または、暴力団員だった人は、古物商許可を取得できません。

古物営業法に定められた規定をしっかり守り、適切な古物営業を行うことが困難であると判断されます。

住居の定まらない者

住民票に記載されている住所に居住していない状況の人をいいます。

古物商許可申請においては、原則として、住民票に記載の住所に居住していない場合、古物商許可の取得も難しくなると思われます。
しかし、住民票と異なる別の住所に居住している場合でも、正当な理由があるなど古物商許可を取得できるケースもあります。

事前に、専門の行政書士に相談するのもよいでしょう。

古物営業法第24条第1項の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前60日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から起算して5年を経過しないものを含む。)

古物商許可を取得して、古物営業を行っていたが、「古物営業法」の規定に違反したため、古物商許可を取り消された場合などが該当します。

許可を取り消された場合、取り消された日から5年間は新たに古物商許可申請をすることができません。

古物営業法第24条第1項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該取消しをする日又は当該取消しをしないことを決定する日までの間に第8条第1号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で、当該返納の日から起算して5年を経過しないもの

古物営業を営んでいたが、古物営業法に違反したなどの理由で、古物商許可の取消しを受ける可能性があり、許可の取消しを回避するため、取消前に自ら許可証を返納した場合です。

許可証を返納した日から5年間は、古物商許可を受けることができません。

未成年者

「古物営業法第13条 第2項」に規定されるとおり、未成年者は、古物営業所の管理者にはなれません。

営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が古物商又は古物市場主の相続人であって、その法定代理人(法人である場合は役員も含む)が欠格事由に該当しない場合を除くものとする。

原則として、未成年者は古物商許可を取得できません。
しかし、未成年者でも古物商許可を取得できる場合があります。

・法定代理人(未成年者の保護者)から営業の許可を受けた
 ※法定代理人が欠格事由に該当しないことが必要
・婚姻している、または、婚姻したことがある

法定代理人から営業の許可を受けた場合は、許可を受けていることを証明する書類の提出が必要となります。
婚姻している、または、婚姻したことがある場合は、「民法 753条」に規定されている「成年擬制」にあたり、成年に達したとみなされ、古物商許可を取得することができます。

「誓約書」の様式はどこから入手できる?

営業所の所在地を管轄する警察署でもらうか、都道府県公安委員会のホームーページからダウンロードすることにより入手できます。

「誓約書」の様式は、都道府県公安委員会ごとに多少の違いがあります。
しっかりと、管轄の都道府県公安委員会の様式を準備しましょう。

誓約書は3タイプ

古物商許可申請における「誓約書」には3種類あります。

・法人役員用
・管理者用
・個人営業者用

法人役員用、管理者用、個人営業者用とそれぞれの様式があり、誓約内容にも違いがあります。
作成の際には、使用する様式を間違わないよう注意しましょう。

「誓約書」記載の注意点

「誓約書」は、内容をよく理解したうえで、住所、氏名等を記載すればよく、他の書類に比べると作成の負担は少ないのではないでしょうか?

住所、氏名等を記載すれば作成できてしまう「誓約書」ですが、記載する際に注意しなければならない点があります。
※本記事は「東京都」の書式を基にしています。

法人役員用の「誓約書」

法人役員用の「誓約書」の記載事項は、次の4つ。

・作成年月日
・法人名称
・所在地
・役員氏名

「作成年月日」は、申請日から3か月以内でなければなりません。
「法人名称」の記載は、履歴事項全部証明書(法人登記簿)どおりの記載が必要です。
「所在地」は、申請法人の本店所在地を記載し、履歴事項全部証明書(法人登記簿)どおりの記載が必要です。
「役員氏名」については、氏名を記載後、印鑑を捺印します。シャチハタは不可となりますので、認印を準備しましょう。

役員が数名いる場合は、役員全員分の記名押印あるいは署名の入った「誓約書」を作成しなければなりません。

管理者用の「誓約書」

管理者用の「誓約書」の記載事項は4つ。

・作成年月日
・営業所名
・営業所所在地
・管理者氏名

「作成年月日」は、申請日から3か月以内でなければなりません。
「営業所名」は、古物営業を営む営業所の「屋号」になります。法人名とは別の屋号を用いる場合など、記載間違いのないよう注意しましょう。
「営業所所在地」とは、本店所在地ではありません。古物営業を営む営業所の所在地(住所)を記載します。賃貸物件の場合は、賃貸借契約書を参考にするとよいでしょう。
建物名がある場合や、使用フロア、部屋番号がある場合は、しっかりと併せて記載しましょう。
「管理者氏名」の記載については、氏名を記載後、印鑑を捺印します。シャチハタは不可となりますので、印鑑(認印)を準備しましょう。

管轄の警察署にもよりますが、役員が管理者を兼任する場合に、「法人役員用の誓約書」の提出を省略できる場合もあります。
事前に、管轄の警察署に確認するとよいでしょう。

個人申請用の「誓約書」

個人申請用の「誓約書」の記載事項は3つ。

・作成年月日
・住所
・氏名

「作成年月日」は、申請日から3か月以内でなければなりません。
「住所」の記載は、住民票どおりの記載が必要です。住民票を取得し、記載間違いのないよう注意しましょう。
「氏名」については、氏名を記載後、印鑑を捺印します。シャチハタは不可となりますので、認印を準備しましょう。

個人申請においては、ほとんどの場合、申請者が管理者を兼任することになるのではないでしょうか?
管轄の警察署にもよりますが、申請者が管理者を兼任する場合、「個人申請証の誓約書」の提出は省略できる場合もあります。
事前に、管轄の警察署に確認するとよいでしょう。

様式 記載事項 法人役員用 管理者用 個人営業者用
作成年月日 申請日から3か月以内 申請日から3か月以内 申請日から3か月以内
名称および氏名 履歴事項全部証明書(法人登記簿)どおりの記載 住民票どおりの記載 住民票どおりの記載
所在地または 営業所所在地 履歴事項全部証明書(法人登記簿)どおりの記載 本店所在地でなく、古物営業を営む営業所の所在地(住所)を記載
営業所名 古物営業を行う営業所の「屋号」
住所 住民票どおりの記載が必要
捺印 シャチハタは不可 実印の必要はなし シャチハタは不可 実印の必要はなし シャチハタは不可 実印の必要はなし

※都道府県公安委員会ごとに多少の違いがありますので、事前に様式を確認のうえ、記載間違いのないよう注意しましょう。

誓約内容は理解が必要

法人で申請するにあたり、役員に外国人がいる場合、必ずしも「日本語」を話せる人とは限りません。日本語を話せないということは、日本語で書かれた「誓約書」の内容を理解することも難しいのではないでしょうか?

古物商許可申請において、申請者が外国人の場合や、役員に外国人がいる場合には、警察担当者から、誓約内容をしっかりと理解しているか確認されることもあります。
誓約内容をしっかりと理解したうえで、本人が署名していれば、古物商許可は取得可能です。

外国人役員がいる場合の対応としては、「誓約書」の下余白に、次のような文言の記載をするとよいでしょう。

「上記誓約内容を〇〇(母国)語で通訳し、理解したうえ、本人が署名しました。

通訳人 ○○ ○○(署名) 印 」

記載後、通訳人の署名、捺印も忘れないようにしましょう。

日本語をしっかりと話せ、理解できる外国人の場合でも、上記文言を記載しておくことにより、警察への申請書提出がスムーズに進むと思われます。

まとめ

・誓約書は、申請者(法人役員)と管理者全員の提出が必要
・欠格事由に該当しないことを誓約する書類
・外国人でも、誓約内容を理解し本人署名があれば、古物商許可は取得できる