古物商の営業所の管理者の選び方と気を付ける5つのポイント

古物営業法

古物商許可の申請をしようとしたら、申請書に「管理者」を記載する欄があって、「古物商の管理者って何のこと?」、「誰を古物商の管理者に選べばいい?」、「古物商の管理者になるためには資格や条件が必要?」、「古物商の管理者になるとどんな役割があるの?」など、疑問に思われる人も多いのではないかと思います。

そこで、今回は古物商許可を申請する際に登録する「営業所の管理者」について説明したいと思います。

古物商の管理者ってどんな人?

管理者とは、営業所の古物取引に関して管理・監督・指導ができる立場になる人をいい、営業所の古物商業務を適正に実施するための責任者とされています。(古物営業法13条1項)

営業所には必ず、管理者一人を選任しなければなりません。(古物営業法13条1項)

店舗などでは、店長が管理者になるケースが多く、会社の本社などの場合は、役員や、部長、課長などがなるケースが多いです。

古物商の管理者の選び方の5つのポイントとは?

古物商の管理者を選ぶ際のポイントは5つです。

  • 常駐性が求められる
  • 雇用関係がある
  • 必要な知識経験がある
  • 管理者は営業所ごとに1名必要
  • 欠格要件に該当していない

それぞれ、具体的に見てみたいと思います。

管理者になると常駐性が求められる

責任者として、その営業所に常駐に近い形態で勤務する人を選ばなければなりません。

管理者は、店長や、20歳以上なら、フルタイムのパートリーダーなど、役職は関係なく選任が可能です。

ただし、誰でも良いわけではありません。
管理者は常駐性が求められるので、営業所に通勤できる距離に住んでいることが条件となります。

例えば、管理者にしようとした人の住所が、通勤圏内とは言えないような距離に住んでいる場合、「管理者として不適当」という理由で、認められないことがあります。

ただし、転勤などで、これから、通勤圏内に引越す場合などは、警察署に相談すると例外的に認めてもらえる可能性があります。

事前に、管轄の警察署に相談することをおすすめします。

雇用関係にあることが原則 古物商の業務委託は注意が必要

管理者は、原則として雇用関係が必要です。

古物営業法第2条2項1号には、他人からの委託を受けて古物を売買する場合は、古物商許可を取らなければならないとされているためです。

例えば、業務委託契約で部外者に管理者を委託する場合は、その業務委託契約の内容によっては、受託した人に、古物商の許可が必要となる場合があるので、注意が必要です。

無許可で古物商を営業した場合は、3年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処せられる恐れがありますので、不安がある場合は、警察署や古物商専門の行政書士に問い合わせるか、雇用関係にある人を管理者に選ぶ方がよいと思います。

管理者に求められる、知識や経験は取扱品目によってことなる?

古物商許可申請は、あらかじめ、13品目に分類される古物の中から、取り扱う予定の品目を選んで申請します。取り扱う古物の品目は、いくつ選んでも構いません。ただし、自動車、自動二輪車・原付、時計・宝飾品類を選ぶ場合は、一定の知識、経験が求められます。

自動車、自動二輪車・原付を扱う場合に求められる知識、経験

大まかには、車体や車体番号の打刻部分の改造を判別できる知識、経験とされています。
目安として、中古自動車やバイクを扱う業務に3年以上従事した経験、または、全国防犯協会連合会が推奨した団体の行う講習の受講することで得られるとされています。

これは、努力義務といって「管理者に知識をつけさせましょう。」という義務であって、知識経験がなくても違法というわけではありません。

ただし、申請時に警察署の担当者から、「管理者は車体番号の確認方法は分かりますか?」といった質問をされることがあります。
「ありません」と答えてしまうと、「別の人にしてください」といわれてしまう可能性があるので、管理者には、車体番号の確認方法を知っていて、不正品を見抜ける知識がある人を選びましょう。

時計・宝飾品類を扱う場合に求められる知識、経験

時計や宝飾品は、古物の中でも、最も盗難事件が多い品目のため、取り扱う場合には、警察署がしっかりと質問をしてきます。
本物であるか真贋判定ができる「目利き」があるかどうかを確認されますので、管理者には、「目利き」がある人を選びましょう。

管理者は営業所ごとに1名必要

管理者は営業所ごとに1名選任する必要があります。(古物営業法13条1項)

複数の営業所がある場合、同じ管理者を兼任させることはできず、営業所ごとに別の管理者を選任する必要があります。

欠格要件に該当する人は管理者になれない

次の要件に1つでも該当している人は、管理者になることが出来ません。

1 成年被後見人、被保佐人(従来、禁治産者、準禁治産者と呼ばれていたもの)
 又は破産者で復権を得ない者
2 犯罪者
3 暴力団関係者
4 住居の定まらない者
5 古物商許可を取り消されてから5年を経過しない者
6 営業について成年者と同一能力を有しない未成年者

管理者になった後の義務や注意点は?

管理者は、営業所の古物取引に関し、管理・監督・指導を行わなければなりません。
古物商等新規許可業者法令講習会や、毎年10月前後に開かれる警察署別法令講習会などを利用して、古物商の知識や法改正の情報を習得していくことをお勧めします。

どちらの講習会も義務ではなく法的な拘束力はありませんので、参加できなくても罰則はありません。

まとめ

古物商の業務を適正に実施するための責任者として、営業所ごとに、管理者一人を選任しなければなりません。

営業所の管理者を選ぶときに気を付ける点は、大きく5つです。

・常駐性が求められるので、管理者が営業所の通勤圏内に住んでいること
・原則として雇用関係があること
・取り扱う古物の品目によって、管理者に求められる知識、経験が異なること
・管理者は営業所ごとに1名必要となる
・欠格要件に該当していない

ということでした。

参考にしていただいて、誰が管理者として適任なのかを検討していただければと思います。